会社設立初年度の決算
会社設立初年度は、事業年度が1年に満たないことが多いため、以下の注意が必要です。
会社設立後の最初の決算の注意点
1 法人税の軽減税率が適用できる課税所得
中小法人(資本期1億以下の法人)は、法人税の軽減税率が適用されます。年間800万円までの所得に対しては、15%(通常は25.5%)の税率で計算されるのです。
事業年度が1年に満たない場合は、
800万円×事業年度の月数/12
で計算した額になります。
2 減価償却
減価償却費は通常以下の計算式で計算します。
取得価額×償却率×実際に使った月数/12
事業年度が1年未満の場合、償却率が変わって、
償却率×当期の月数/12
で計算されます(改定償却率)。
さらに、月数按分もする必要があるので、次の式で計算します。
取得価額×改定償却率×事業の用に供した比から期末までの月数/事業年度の月数
3 一括償却資産
減価償却の対象となる資産の取得価額が10万円以上20万円未満のものは、3年間で均等に償却することができ、これを「一括償却資産」といいます。
償却費は次の式で計算されます。
一括償却資産の取得価額の合計額×事業年度の月数/36
4 交際費の定額控除限度額
中小法人は、交際費について年間800万円までは全額を損金に算入することができます。
事業年度が1年に満たない場合は、
800万円×事業年度の月数/12
で計算市多額が限度額となります。
5 小額減価償却資産の特例の限度額
青色申告法人である中小法人は、少額減価償却資産の特例により、取得価額が30万円未満の備品等について一括で損金算入することができます。この特例には限度額があり、年間300万円までと決められています。事業年度が1年未満の場合、限度額は次のように計算されます。
300万円×事業年度の月数/12