一人社長の会社をどう回すか|福岡で会社設立した後の実務と外注の判断
一人社長の会社は、本業も経理も自分ひとりです。営業して、作って、届けて、そのうえで領収書を整理し、毎月の数字を見て、年に一度決算をする。個人事業のときより処理が複雑になります。
全部を自分でやることもできますし、全部を外に出すこともできます。どこで線を引くかは、自分の時間の使い方で決まります。本業に時間を回したいなら任せる範囲を広げ、費用を抑えたいなら自分でやる範囲を広げる。
この記事では、福岡で一人社長として会社設立をした後の実務を、自分でやる範囲と外に出す範囲に分けて整理しました。内容は2026年9月時点で公式ページを確認したものにもとづきます。判断の材料としてお使いください。
01会社設立の直後にやることを片づける

会社設立の登記が終わったら、まず届出です。期限が短いものがあるので、優先順位をつけて片づけます。
| 提出先 | 内容 | 期限 |
|---|---|---|
| 福岡市 財政局法人税務課 法人市民税係 | 設立申告書 | 設立の日から10日以内 |
| 福岡県税事務所 | 法人設立届 | すみやかに |
| 税務署 | 法人設立届出書、青色申告の承認申請書ほか | 設立から1〜2か月 |
| 年金事務所 | 健康保険・厚生年金保険の新規適用 | すみやかに |
※ 2026年9月時点。提出先の住所は福岡市博多区博多駅前2丁目8番1号(博多区役所新庁舎9階)です。期限と提出先は各公式ページでご確認ください。
定款の写しは会社設立の段階で手元にあるはずなので、先に用意しておけます。登記事項証明書だけが完了待ちになるため、窓口に事情を伝えて相談しておくという手もあります。
会社設立の代行に設立後の届出まで含まれていれば、この部分は任せられます。範囲に含まれるかは事務所によって違うので、依頼の段階で確認しておいてください。税理士事務所なら含まれることが多く、設立だけを引き受ける事務所では別料金か対象外のこともあります。
なお、労働保険(雇用保険・労災保険)は役員のみの会社では原則として不要です。従業員を雇う段階になったら手続きが必要になります。
会社設立の代行を頼むときに「設立後の届出はどこまで対応してもらえますか」と聞いておくと、登記が終わったあとに慌てずに済みます。福岡の税理士事務所であれば、税務署・県税事務所・市への届出まで引き受けているところが多く見られます。
出典:福岡市「法人市民税の概要(均等割・法人税割の税率、設立申告書の提出先)」(2026年8月時点)
02法人口座の開設は早めに動く

会社設立の後、実務でつまずきやすいのが法人口座の開設です。登記が完了して登記事項証明書が取れるまで申し込めないうえ、審査にも時間がかかります。
近年は審査が厳しくなっており、事業の実態が確認できるかが重視されます。一人社長の会社は規模が小さいため、事業の中身を説明できる材料を用意しておくと話が進みやすくなります。
融資を受ける予定があるなら、入金先として法人口座が必要になります。資金が必要な時期から逆算して動いてください。登記の完了に2〜3週間、そこから口座開設の審査という流れになります。
なお、事業目的の書き方は会社設立の段階で決まります。脈絡なく多く並べると口座開設の審査で説明を求められることがあるため、会社設立の代行に相談するときにこの点も踏まえて書いてもらうとよいでしょう。

出典:福岡市「スタートアップ資金」(2026年8月時点)
03記帳を自分でやるか、任せるか

一人社長がいちばん悩むのが、経理をどこまで自分でやるかです。会社設立の直後は取引が少ないので、自分でも回せます。けれども事業が動き出すと、時間が足りなくなってきます。
判断の目安になるのが、自分の時間の値段です。記帳に月10時間かかるとして、その10時間を本業に回したときに生む売上が記帳代行の料金を上回るなら、任せたほうが得という計算になります。
| 作業 | 自分でやる場合 | 任せる場合 |
|---|---|---|
| 日々の記帳 | 会計ソフトへの入力を毎月行う | 領収書を渡すだけ。記帳代行は別料金のことが多い |
| 月次の確認 | 自分で数字を読む | 毎月または隔月で確認してもらえる |
| 決算と税務申告 | 申告書を自分で作る。法人は難度が高い | 決算料を払って任せる |
| 年末調整・法定調書 | 自分で計算して提出する | 年末業務として任せる |
※ どこまでが顧問料に含まれるかは事務所ごとに違います。見積もりで確認してください。
福岡の税理士事務所の顧問料は、公式サイトで確認できた範囲で月5,500円から40,000円程度まで幅がありました。プランを分けて公開している事務所もあり、記帳を自分でやるなら安いプラン、丸投げなら高いプランという対応になっています。
会社設立の代行を税理士事務所に頼んだ場合、そのまま顧問契約に移行することが多くなります。福岡では顧問契約を条件に設立手数料を0円にする事務所が複数あり、その場合は顧問料の月額と契約期間の縛りが実質的な費用になります。設立手数料の0円だけを見て決めないでください。
出典:消費者庁「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」(2026年8月時点)
04法人の決算は、個人の確定申告とは別物です

法人の決算と税務申告は、制度上は自分でもできます。ただし個人の確定申告とは難度が違います。
別表の作成、勘定科目内訳明細書、事業概況説明書。個人事業では出てこなかった書類が増えます。会計ソフトが対応していても、何をどう判断するかは自分で決めることになります。
一人社長の場合、相談相手がいないという事情もあります。個人事業のときより判断することが増えるのに、社内に聞ける人がいません。顧問税理士を持つ価値は、この点にもあります。
会社設立を機に顧問を頼むなら、設立の代行から同じ事務所に頼むという選び方もあります。会社の情報を二度説明する手間が省けますし、設立手数料が0円になる分だけ得になります。ただし顧問を頼むつもりがないなら、顧問契約を前提としない事務所に会社設立の代行を頼むほうが安く収まります。

出典:日本年金機構「適用事業所と被保険者」(2026年9月時点)
05一人だからこそ、外の相談先を持つ

一人社長の実務でいちばん効いてくるのが、相談相手がいないという点かもしれません。判断に迷ったとき、社内に聞ける人がいません。
福岡には無料で相談できる窓口があります。福岡県よろず支援拠点は国(中小企業庁)が設置した窓口で、セミナーも個別相談も無料、回数の制限もありません。テレビ電話での相談にも対応しています。
会社設立の代行を頼んだ事務所が、そのまま相談先になることもあります。税理士事務所に会社設立の代行を頼めば、設立後も同じ相手に相談できます。福岡では顧問契約を条件に設立手数料を0円にする事務所が多く、その場合は顧問料の月額と契約期間の縛りを確認してください。
会社設立の直後は、誰に何を聞けばよいかも分からない状態だと思います。まずは無料の窓口に一度行ってみて、必要に応じて顧問を頼むという順番でも構いません。福岡は創業支援の窓口が多い地域なので、使わないのはもったいないと思います。
出典:福岡県よろず支援拠点「創業をお考えの方へ」(2026年8月時点)
062年目以降は、同じことの繰り返しになります

ここまで並べると大変そうに見えますが、手続きが多いのは最初の1年だけです。会社設立のときにしか出さない届出が済んでしまえば、2年目からは決まったサイクルに落ち着きます。
合同会社には役員の任期がないため、この手続きはありません。決算公告の義務もありません。やることが少ない形を選んでおくのは、一人で会社を運営するうえで実務的な判断だと言えます。
なお、登記の変更が必要になった場合も、福岡県内で扱っているのは福岡法務局の本局と北九州支局の2庁だけです。会社設立のときと同じで、久留米支局や飯塚支局では申請できません。

出典:法務局「よくあるご質問等(商業・法人登記関係)」(2026年9月時点)
07まとめ:一人社長の実務をどう回すか

福岡で一人社長として会社設立をした後の実務について整理します。
- 会社設立の直後は届出から。福岡市の設立申告書は設立の日から10日以内。
- 設立日は登記を申請した日。証明書を待っていると期限が過ぎる。
- 労働保険は役員のみの会社では原則として不要。従業員を雇う段階で必要になる。
- 法人口座は登記の完了後でないと申し込めず、審査にも時間がかかる。
- 資本金の払い込みは会社設立の前に発起人個人の口座へ。法人口座は使わない。
- 記帳を自分でやるかは自分の時間の値段で判断する。
- 福岡の顧問料は月5,500円から40,000円程度。決算料が別のことが多い。
- 法人の決算は個人の確定申告とは難度が違う。別表などの書類が増える。
- 赤字でも福岡市の法人市民税の均等割は年額50,000円からかかる。
- 株式会社は役員の任期満了ごとに重任登記が必要。忘れると過料の対象になることがある。
全体として、手続きが多いのは最初の1年だけです。2年目からは決まったサイクルになります。会社設立の直後を乗り切ることに集中してください。
そして、任せる範囲はあとから変えられます。初年度は自分でやってみて、負担が大きければ2年目から任せる。最初から完璧に回そうとしなくて構いません。
出典:中小企業庁「登録免許税の軽減(産業競争力強化法)」(2026年8月時点)
会社設立の直後は、届出も口座開設も本業の立ち上げも重なります。最初から完璧に回そうとすると、たいてい息切れします。期限のあるものだけ確実に片づけて、あとは走りながら整えるくらいで十分です。
そして、任せる範囲はあとから変えられます。初年度は自分で記帳してみて、負担が大きいと感じたら2年目から任せる。そういう進め方をしている一人社長は少なくありません。
福岡には無料で相談できる窓口があります。自分でやるか任せるかで迷ったら、一度話してみてください。制度や金額は変わりますので、実際の判断の前には公式ページか専門家にご確認ください。
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
掲載順に優劣の意味はありません。並び順はページごとに変えており、順位付けではありません。いずれも当サイトが実際に検索してURLの存在を確認したサイトです(確認時点の情報のため、移転・終了している場合があります)。
- 会社設立後の手続き|やることリストや必要書類・期限
登記の後に必要な届出を期限つきで整理した記事。
freee.co.jp - 福岡経理代行・記帳代行サポートセンター
税理士法人たかはし事務所が運営する記帳代行のページ。
t-tax.jp - 会社を設立するときに税理士は必要?依頼するタイミング
税理士に依頼するタイミングを解説した記事。
kessan-online.jp - 設立後の届出|会社設立 福岡
会社設立の後に必要な届出を一覧にまとめたページ。
tano-office.com - 会社設立後の届出書類一覧
設立後に出す書類を一覧にしたページ。
hitodeki.com - 中小企業向けの記帳代行・経理代行サービス
宮川公認会計士事務所の記帳代行のページ。
miyagawa-kaikei.com - ベンチャーサポート税理士法人 福岡オフィス
福岡市中央区天神。特定創業支援等事業と福岡市の補助金まで説明している。
vs-group.jp - 如水税理士法人 北九州事務所
北九州市小倉北区。顧問契約とセットで手数料を値引く料金表を出している。
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