会社設立したら社会保険はどうなるか|福岡で一人社長でも加入が必要です
会社設立をすると、社会保険の話が出てきます。ここで多いのが、「一人だから入らなくていい」という誤解です。実際には逆で、法人になった時点で扱いが変わります。
もうひとつ多いのが、社会保険と労働保険を同じものだと思ってしまうことです。この2つは別の制度で、必要になる条件も、届け出る先も違います。
この記事では、福岡で会社設立をした後の社会保険と労働保険を、日本年金機構と福岡労働局の公式ページで確認した内容にもとづいて整理しました。2026年9月時点のものです。自分の会社にどちらが必要かを見分ける材料としてお使いください。
法人になると、社会保険は強制適用になります

まず前提を確認します。日本年金機構の案内では、すべての法人事業所が健康保険・厚生年金保険の強制適用事業所とされており、事業主のみの場合を含むと明記されています。
つまり、会社設立をして役員が自分ひとりだけであっても、役員報酬を受け取るのであれば加入することになります。「一人だから入らなくていい」というのは、法人については当てはまりません。
ここを誤解したまま進めてしまうと、あとから遡って加入することになります。その場合の保険料は遡って発生しますので、まとまった負担が一度に来ることになります。個人事業のときは、業種と従業員数によって扱いが分かれていました。法人化するとその区分がなくなります。福岡で会社設立をして個人事業から切り替えた方が、いちばん驚くところかもしれません。
福岡で会社設立をする方から「社会保険に入らずに済む方法はないか」と聞かれることがありますが、法人である以上、報酬を受け取るなら加入することになります。入らない方法を探すより、報酬の額をどう設定するかを考えるほうが現実的です。この記事では保険料の金額を書いていません。料率は改定されますし、報酬の額によって変わるためです。会社設立の計画を立てるときは、その時点の料率で試算してください。
出典:日本年金機構「適用事業所と被保険者」(2026年9月時点)
新規適用届は5日以内です

手続きの名前は健康保険・厚生年金保険 新規適用届です。日本年金機構は提出時期を事実発生から5日以内としています。
提出先は事務センターまたは管轄の年金事務所で、実際に事業を行う場所を管轄する機関が対象になります。提出の方法は電子申請、郵送、窓口持参が案内されています。
添付書類として、法人事業所の場合は法人(商業)登記簿謄本が挙げられています。ここで注意したいのが条件です。
謄本を出したあとで内容に不備が見つかると、取り直しからやり直すことになります。発行の日付と記載内容は、提出する前に自分で確かめてください。また、事業所の所在地が登記上の所在地と異なる場合は賃貸借契約書のコピーなどが必要になると案内されています。会社設立でバーチャルオフィスを本店にしている場合や、登記の住所と実際の作業場所が違う場合は、事前に年金事務所に確認しておいてください。
会社設立の代行を頼んでいても、社会保険の届出まで範囲に入っているとは限りません。登記までで契約が終わっている場合、この期限を知らせてくれる人がいないことになります。5日という期限は、会社設立の後の手続きのなかでいちばん短いものです。登記が完了してから調べはじめると間に合いませんので、待っている間に書類をそろえておくことをおすすめします。

出典:日本年金機構「新規適用の手続き」(2026年9月時点)
社会保険と労働保険は別の制度です

ここが混同されやすいところです。社会保険(健康保険・厚生年金保険)と、労働保険(労災保険・雇用保険)は別の制度です。
社会保険は、法人であれば事業主のみの場合を含めて強制適用です。これに対して労働保険は、労働者を雇うことで必要になります。役員だけの会社であれば原則として不要です。
| 項目 | 社会保険 | 労働保険 |
|---|---|---|
| 中身 | 健康保険・厚生年金保険 | 労災保険・雇用保険 |
| 必要になる条件 | 法人事業所は強制適用(事業主のみを含む) | 労働者を雇った場合 |
| 役員だけの会社 | 役員報酬を受け取るなら加入します | 原則として不要です |
| 届出の期限 | 新規適用届は事実発生から5日以内 | 保険関係成立届は成立の翌日から10日以内 |
| 届出先 | 事務センターまたは管轄の年金事務所 | 労働基準監督署(一元適用事業の場合) |
※ 2026年9月時点で日本年金機構・福岡労働局の公式ページを当サイトが確認した内容です。
逆に言えば、会社設立と同時に従業員を雇うなら2つの制度の手続きが並行して走ります。期限も5日と10日で近いので、まとめて段取りを組んでおかないと追いつきません。会社設立の直後に人を雇う予定がないなら、労働保険の手続きは発生しません。雇った時点で必要になるものですので、そのときに改めて確認してください。
出典:福岡労働局「労働保険の成立手続きについて」(2026年9月時点)
人を雇ったときの労働保険の手続き

従業員を雇ったら労働保険の手続きが始まります。福岡労働局の案内では、労働保険の適用事業となったときはまず保険関係成立届を所轄の労働基準監督署または公共職業安定所に提出することとされています。
提出の期日は保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内です。あわせて、その年度分の労働保険料を概算保険料として申告・納付することが必要になります。
提出先は事業の種類で分かれます。一元適用事業なら労働基準監督署へ、二元適用事業なら雇用保険がハローワーク、労災保険が労働基準監督署へ、と案内されています。
雇用保険の適用事業となった場合は、このほかに雇用保険適用事業所設置届と雇用保険被保険者資格取得届を所轄の公共職業安定所長に提出することになります。
人を雇う予定が半年先なら、労働保険のことは今は考えなくて構いません。会社設立の直後にやることは十分に多いので、必要になった時点で調べるほうが現実的です。会社設立の直後に人を雇うなら、社会保険の5日と労働保険の10日が続けて来ます。どちらも登記の完了が起点になりますので、まとめて段取りを組んでください。

出典:福岡労働局「労働保険の成立手続きについて」(2026年9月時点)
役員報酬をいくらにするかが効いてきます

社会保険料は報酬の額で決まります。つまり役員報酬をいくらにするかが、そのまま保険料に効いてきます。
会社設立の直後は売上の見通しが立ちにくい時期ですが、役員報酬は原則として事業年度の途中で自由に変えられません。最初の設定が1年間続くということです。
また、役員賞与を出す場合には事前確定届出給与に関する届出書という手続きがあり、国税庁は提出期限を設立の日以後2か月を経過する日までとしています。出すつもりがあるなら、この期限も関係します。
報酬をゼロにするという選択もありますが、その場合は健康保険と厚生年金保険の扱いが変わりますし、生活費をどうするかという問題が残ります。会社設立の段階で決めきれないなら、専門家に相談してください。福岡で会社設立の代行を扱う事務所のなかには、設立後の顧問契約を前提に手数料を下げているところがあります。役員報酬や決算期の相談まで含まれるなら、その顧問料には相応の意味があるということになります。
出典:国税庁「No.5100 新設法人の届出書類」(2026年9月時点)
扶養や、他の会社での加入がある場合

実際には、単純に当てはまらない場面があります。たとえば、ほかの会社に勤めながら自分の会社を設立した場合や、配偶者の扶養に入っている場合です。
こうした個別の事情による扱いは、報酬の額や勤務の実態によって変わります。この記事で一律の答えを書くことはできません。会社設立の状況は人によって違うためです。
年金事務所は本店の所在地で管轄が決まります。福岡市内でも区によって行き先が変わりますので、電話をかける前にどこが管轄かを調べておいてください。社会保険労務士に相談する方法もあります。会社設立の代行を頼んだ事務所が社会保険労務士と提携していることもありますので、聞いてみてください。
いずれにしても、自己判断で「たぶん不要だろう」と決めないことです。会社設立の後の届出は期限が短く、あとから遡って手続きすることになると手間が増えます。
出典:日本年金機構「適用事業所と被保険者」(2026年9月時点)
会社設立の代行に、社会保険まで頼めるか

会社設立の代行の料金は、定款の作成と登記の申請までを範囲としているのが一般的です。社会保険の届出はその外側にあります。
扱える専門家も分かれます。社会保険と労働保険の届出は社会保険労務士の業務で、税務の届出は税理士の業務です。一つの事務所ですべてを扱うとは限りません。
| 聞くこと | なぜ聞くか | 確認の観点 |
|---|---|---|
| 社会保険の届出まで頼めるか | 5日以内という期限があるため | 自社で扱うか、提携先を紹介するか |
| 料金の範囲はどこまでか | 登記までで終わる契約が多いため | 別料金か、範囲外か |
| 登記完了の連絡はもらえるか | 期限の起点が登記の完了だから | いつ知らせてもらえるか |
| 謄本を何通取るか相談できるか | 年金事務所は原本を求めるため | 通数の見積り |
福岡には創業について無料で相談できる窓口があります。代行を頼まない場合でも、何をいつまでに出すのかを相談する先はあります。

出典:福岡県よろず支援拠点「創業をお考えの方へ」(2026年8月時点)
まとめ|2つの制度を分けて考えます

福岡で会社設立をした後の社会保険について、この記事で扱ったことをまとめます。
- すべての法人事業所は健康保険・厚生年金保険の強制適用事業所です(事業主のみの場合を含む)
- 役員が自分ひとりでも、役員報酬を受け取るなら加入することになります
- 新規適用届の提出時期は事実発生から5日以内とされています
- 添付する登記簿謄本はコピー不可で、提出日から90日以内に発行されたものが必要です
- 労働保険は別の制度で、労働者を雇った場合に必要になります
- 労働保険の保険関係成立届は、成立の翌日から起算して10日以内です
この2つを混同しないことが、会社設立の後の手続きを間違えないための出発点です。社会保険は法人なら必須、労働保険は人を雇ったら必要と覚えておけば、大きくは外れません。
登記簿謄本の通数も忘れずに数えてください。年金事務所には原本を出すことになりますので、法人口座や許認可で使う分とは別に用意が要ります。
制度と要件は変わります。この記事の内容は2026年9月時点で当サイトが公式ページを確認したものですので、実際の手続きの前には必ず日本年金機構と福岡労働局の公式ページでご確認ください。個別の事情がある場合は、管轄の年金事務所にご相談ください。
出典:日本年金機構「新規適用の手続き」(2026年9月時点)
社会保険の手続きは、会社設立の後にやることのなかでも期限が短いものです。調べているうちに5日が過ぎてしまうことがあります。
分からないことがあるなら、管轄の年金事務所に直接聞くのがいちばん早いです。自分の会社の状況を伝えれば、何が必要かを教えてもらえます。調べて悩む時間より、電話一本のほうが確実です。
会社設立の代行を頼んだ事務所が社会保険労務士と提携していれば、そこに任せる方法もあります。扱う範囲は事務所によって違いますので、確認してみてください。制度と要件は変わりますので、実際の手続きの前には必ず公式ページでご確認ください。
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
掲載順に優劣の意味はありません。並び順はページごとに変えており、順位付けではありません。いずれも当サイトが実際に検索してURLの存在を確認したサイトです(確認時点の情報のため、移転・終了している場合があります)。
- 福岡経理代行・記帳代行サポートセンター
税理士法人たかはし事務所が運営する記帳代行のページ。
t-tax.jp - 中小企業向けの記帳代行・経理代行サービス
宮川公認会計士事務所の記帳代行のページ。
miyagawa-kaikei.com - 会社設立 福岡|行政書士たのなか事務所
行政書士と司法書士が組んで会社設立をまるごと代行する福岡市天神の事務所。
tano-office.com - 合同会社設立|会社設立 福岡
合同会社の設立に絞って手順と料金を説明したページ。
tano-office.com - ベンチャーサポート税理士法人 福岡オフィス
福岡市中央区天神。特定創業支援等事業と福岡市の補助金まで説明している。
vs-group.jp - 会社設立コンシェルジュ(宮川公認会計士事務所)
福岡市中央区天神。設立手数料0円と創業支援パックを案内している。
start-up-fukuoka.com - 福岡公証役場の道案内
福岡公証役場への行き方をまとめたページ。定款認証に行く前に見ておける。
miyagawa-kaikei.com - 福岡の創業融資・制度融資・日本公庫
福岡で使える創業融資と制度融資を整理したページ。
kigyou-navi.com - 会社設立後の手続き|やることリストや必要書類・期限
登記の後に必要な届出を期限つきで整理した記事。
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一人社長で設立する場合の論点を整理した記事。
koyano-cpa.gr.jp - 福岡市新規創業促進補助金|スマート補助金
福岡市の補助金の概要をまとめた補助金情報サイト。
smart-hojokin.jp - 福岡県での合同会社設立費用|会社設立ひとりでできるもん
福岡県で合同会社を設立する場合の費用を項目別にまとめたページ。
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福岡市中央区舞鶴の司法書士事務所による会社設立の解説ページ。
mori-office.jp - ベストパートナーズ行政書士事務所
福岡市中央区の行政書士事務所。顧問契約なしで会社設立の代行を受ける方針を掲げている。
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行政書士・社労士市川事務所が運営。株式会社の設立代行の料金を明示している。
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moj.go.jp
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