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福岡市のスタートアップ法人減税|要件は厳しく、期限は令和10年3月31日です

会社設立 福岡 スタートアップ支援 編集:合同会社commit / 合同会社FIELD 共同編集部
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この記事は、福岡市で会社設立を考えている方に向けたものです

福岡市にはスタートアップ法人減税という制度があります。国家戦略特区に指定されていることにもとづく制度で、条件を満たすと法人税と法人市民税で優遇を受けられます。

ただ、先に書いておきます。この制度の要件はかなり限定的です。事業の分野が指定されていますし、期限もあります。「福岡市で会社設立すれば税金が安くなる」という制度ではありません。

この記事では、2026年9月時点で福岡市の公式ページに書かれている要件をそのまま整理しました。自分の会社が対象になりそうかを見分けて、なりそうなら市に確認する、という順番でお使いください。

国家戦略特区にもとづく制度です

国家戦略特区にもとづく制度です/福岡の会社設立の代行を比べる

スタートアップ法人減税は、福岡市が国家戦略特区に指定されていることにもとづく制度です。福岡市の特区は「グローバル創業・雇用創出特区」と呼ばれています。

国家戦略特区という言葉は聞き慣れないかもしれません。国が区域を指定して、その区域内では規制の一部を通常と違う扱いにする、という仕組みです。福岡市は創業と雇用に関する分野で指定を受けています。国家戦略特区では、全国一律の規制とは違う扱いが認められる場合があります。会社設立に関わるものとしては、この法人減税のほか、外国人の創業に関する在留資格の要件の緩和があります。

つまり福岡市に本店を置くことが、この制度を使う前提になります。会社設立のときに本店をどこに置くかという判断に、直接つながる話です。

特区の制度は全国で使えるものではありません特区の制度は、指定された区域で事業を行う場合に適用されます。福岡県内であればどこでもよい、というものではありません。福岡市に本店または主たる事務所を置くことが要件に含まれています。北九州市や久留米市で会社設立をする場合は、この制度の対象にはなりません。

福岡で会社設立の代行を探していると、この制度を紹介している事務所のページを見かけることがあります。紹介されているからといって自分が対象とは限りませんので、要件は自分で確認してください。会社設立で本店の場所を選べる立場にあるなら、この制度に該当しそうかどうかは判断材料のひとつになります。ただし、次に見るように要件は限定的です。

出典:福岡市「国家戦略特区 福岡市「グローバル創業・雇用創出特区」」(2026年9月時点)

国税と市税で、要件が違います

国税と市税で、要件が違います/福岡の会社設立の代行を比べる

ここが分かりにくいところです。スタートアップ法人減税は国税(法人税)と市税(法人市民税)で要件が分かれています。福岡市の公式ページでも、この2つを分けて説明しています。

スタートアップ法人減税の要件(福岡市の公式ページの記載)
項目 国税(法人税) 市税(法人市民税)
設立からの年数 設立が5年未満の会社 設立が5年未満の会社
所在地 国家戦略特区内に「本店」または「主たる事務所」がある 福岡市内に「本店」または「主たる事務所」がある
事業分野 医療、一定のIoT 医療、一定のIoT、先端的なIT
雇用の要件 なし 常用雇用者を雇用すること(福岡市民を1名以上)
減税の内容 法人税の課税所得の18%を控除 対象事業の所得にかかる法人市民税の課税を免除(全額)
指定の期限 令和10年3月31日までに指定 令和10年3月31日までに指定

※ 2026年9月時点で福岡市の公式ページを当サイトが確認した内容です。要件は変わることがありますので、必ず公式ページでご確認ください。

会社設立の代行に相談する場合も、国税と市税のどちらの話をしているのかを確かめてください。片方だけ満たすということが起こりうる制度です。市税のほうが事業分野が広く(先端的なITが加わります)、その代わりに雇用の要件があります。常用雇用者を雇用すること、しかも福岡市民を1名以上、とされています。

一人社長では市税の要件を満たしません市税の要件には常用雇用者の雇用が含まれています。役員が自分ひとりだけの会社では、この要件を満たさないことになります。会社設立の当初は一人で始める方が多いので、この点は先に確認しておいてください。雇用の定義については福岡市にご確認ください。
国税と市税で分かれる要件
同じ制度名でも、国税と市税で条件が違います。

出典:福岡市「スタートアップ法人減税」(2026年8月時点)

事業の分野が指定されています

事業の分野が指定されています/福岡の会社設立の代行を比べる

この制度でいちばん厳しいのが事業分野の要件です。福岡市の公式ページでは、国税が医療、一定のIoT、市税が医療、一定のIoT、先端的なITとされています。

つまり、飲食業、小売業、建設業、一般的なサービス業などで会社設立をする場合、この制度の対象にはなりません。福岡市で会社設立をする方の大半は該当しないということです。

「一定の」「先端的な」の中身は市に確認してください「一定のIoT」「先端的なIT」がどこまでを指すのかは、この記事で判断できるものではありません。当サイトでは具体的な線引きを書いていません。IT関連の事業で会社設立を考えていて該当しそうだと感じたら、福岡市に直接確認してください。自己判断で「該当するはず」と進めるのは避けてください。

自分の事業が該当するかどうかは、事業の内容を具体的に説明したうえで判断されることになります。会社設立の前に事業計画をまとめておくと、相談したときに話が早く進みます。また、国家戦略特区の規制の特例措置が重要な役割を果たすことが条件になるという説明も見られます。単にITを使っている、というだけでは足りないということです。

会社設立の代行を頼む事務所のなかには、この制度に詳しいところとそうでないところがあります。該当しそうなら、扱った経験があるかを聞いてみてください。

出典:福岡市「スタートアップ法人減税」(2026年8月時点)

期限は令和10年3月31日です

期限は令和10年3月31日です/福岡の会社設立の代行を比べる

この制度には期限があります。福岡市の公式ページでは、国税・市税とも令和10年3月31日までに指定とされています。

指定を受けるのは会社設立の後です。設立が5年未満の会社が対象とされていますので、設立してから指定を受けるまでに時間の余裕はありますが、制度自体の期限がこの日ということになります。

会社設立の計画を立てるときに、この制度を当てにするなら期限を確認してください。制度が延長されるかどうかは分かりませんので、延長を前提にした計画は立てないほうが安全です

指定の手続きは別にあります要件を満たしていれば自動的に減税される、というものではありません。指定を受ける手続きがあります。国税は国家戦略特区担当大臣の指定、市税は福岡市の手続きということになります。会社設立の後にどう進めるかは、福岡市と税理士に確認してください。

会社設立の代行を頼んでも、この指定の手続きまで含まれることはまずありません。設立後に自分で、あるいは顧問の税理士と進めることになります。減税の効果は、利益が出てはじめて意味を持ちます。会社設立の初年度は赤字になることも多いので、この制度が効いてくるのは事業が軌道に乗ってからです。

自分の会社が対象になりそうか確かめる5点
3つ目でほとんどの会社が外れます。

出典:福岡市「スタートアップ法人減税」(2026年8月時点)

対象にならない場合に使えるもの

対象にならない場合に使えるもの/福岡の会社設立の代行を比べる

スタートアップ法人減税の対象にならなくても、福岡市には事業の分野を問わず使える支援があります。会社設立の費用に効くのはこちらです。

代表が特定創業支援等事業です。支援を受けて証明書の交付を受けると、会社設立の登録免許税が軽減されます。株式会社なら最低額が15万円から7万5,000円に、合同会社なら6万円から3万円になります。

事業分野を問わずに使える支援
支援 効果 注意点
特定創業支援等事業 会社設立の登録免許税が軽減されます 受講に期間が必要。登記の前に証明書が要ります
開業ワンストップセンター 来所してオンライン申請ができ、印紙税4万円が不要と案内されています 利用の条件は公式サイトで確認してください
士業への無料相談 弁護士・税理士・弁理士などに相談できると案内されています 曜日と時間が決まっている分野があります
創業融資の相談 金融機関や日本政策金融公庫の相談窓口があります 審査は各機関が行います

※ 2026年9月時点で当サイトが公式サイトを確認した内容です。実施状況は変わります。

確実に効くのはこちらですスタートアップ法人減税は要件が限定的で、しかも利益が出てはじめて効果が出ます。これに対して登録免許税の軽減と印紙税の回避は、会社設立の時点で確実に金額が下がります。費用を抑えたいなら、まずこちらを検討してください。

会社設立の費用を下げる方法を探している方にとっては、こちらのほうが現実的な選択肢になります。分野の制限がなく、金額もはっきりしているためです。福岡市に本店を置く予定があるなら、会社設立の準備を始める段階で一度スタートアップカフェに相談してみるとよいと思います。自分が使える支援が何かを整理してもらえます。

出典:福岡市「特定創業支援等事業」(2026年8月時点)

税理士に相談したほうがよい場面

税理士に相談したほうがよい場面/福岡の会社設立の代行を比べる

この制度に該当しそうだと感じたら、自己判断で進めないでください。事業分野の該当性も、雇用の要件も、実際の事業の内容に照らして判断されます。

会社設立の代行を税理士事務所に頼んでいるなら、設立の段階で相談してみてください。本店をどこに置くか、事業目的をどう書くかにも関わってくる可能性があります。

福岡市には無料で相談できる窓口もあります。制度の担当は福岡市ですので、要件の該当性は市に直接確認するのがいちばん確実です。

この記事では判断していません当サイトでは、どの事業が「一定のIoT」や「先端的なIT」に当たるかを判断していません。公式ページに書かれている文言をそのまま紹介しているだけです。会社設立の判断にこの制度が関わるなら、福岡市と税理士の両方に確認してください。

聞くときは、自分の事業の中身をできるだけ具体的に伝えてください。「ITの会社です」では判断できませんので、何をどう提供して収益を得るのかまで説明が要ります。なお、会社設立の代行の料金にはこうした制度の相談は含まれないのが一般的です。顧問契約を結んでいるなら相談できることが多いので、契約の範囲を確認してみてください。

出典:福岡県よろず支援拠点「創業をお考えの方へ」(2026年8月時点)

会社設立のときに、この制度をどう扱うか

会社設立のときに、この制度をどう扱うか/福岡の会社設立の代行を比べる

会社設立の計画のなかで、この制度をどう位置づけるかを考えてみます。結論から言えば、当てにするのではなく、確認だけしておくのが現実的です。

理由は2つあります。ひとつは要件が限定的で、自分が該当するかどうかを設立の段階では判断しきれないこと。もうひとつは、利益が出てはじめて効果が出る制度だということです。

会社設立の直後は赤字になることも多く、その時期には法人税も法人市民税の法人税割も発生しません。つまりこの制度が効いてくるのは、事業が軌道に乗ってからということになります。

会社設立の費用に効く制度と、後から効く制度
制度 効くタイミング 事業分野の制限
特定創業支援等事業(登録免許税の軽減) 会社設立の時点で確実に効きます 分野を問いません
開業ワンストップセンター(印紙税) 会社設立の時点で効きます 分野を問いません
スタートアップ法人減税 利益が出てから効きます 医療、一定のIoT、先端的なITに限られます

※ 2026年9月時点で当サイトが公式サイトを確認した内容にもとづく整理です。

会社設立の代行を選ぶときの観点にもなります福岡で会社設立の代行を探すとき、この制度に該当しそうな事業なら、扱った経験のある事務所を選ぶ意味があります。該当しない事業なら、この制度を理由に依頼先を絞る必要はありません。代行の料金と対応範囲で選んで構いません。

会社設立の代行の見積りを取るときに、「福岡市の支援制度で使えるものはありますか」と聞いてみてください。その答え方で、地域の制度にどれだけ通じているかが見えます。

スタートアップ法人減税の要点
該当すれば大きい制度ですが、要件は限定的です。

出典:福岡市「創業・スタートアップ支援」(2026年8月時点)

まとめ|期待しすぎず、確認だけはしておく

まとめ|期待しすぎず、確認だけはしておく/福岡の会社設立の代行を比べる

福岡市のスタートアップ法人減税について、この記事で扱ったことをまとめます。2026年9月時点で福岡市の公式ページを確認した内容です。

  • 国家戦略特区に指定されている福岡市の制度です
  • 設立が5年未満の会社が対象とされています
  • 国税は国家戦略特区内、市税は福岡市内に本店または主たる事務所が必要です
  • 事業分野は国税が医療・一定のIoT、市税が医療・一定のIoT・先端的なITとされています
  • 市税には常用雇用者(福岡市民1名以上)の要件があります
  • 減税は国税が課税所得の18%控除、市税が対象事業の所得にかかる課税の全額免除とされています
  • 指定の期限は国税・市税とも令和10年3月31日です

事業分野の要件で、大半の会社は対象外になります。福岡市で会社設立をするからといって、誰でも使える制度ではありません。

その代わり、特定創業支援等事業による登録免許税の軽減や、無料で使える相談の窓口は事業の分野を問いません。会社設立の費用を抑えたいなら、まずそちらを確認してください。

制度は変わります。該当しそうな場合は、必ず福岡市の公式ページを確認したうえで、市と税理士にご相談ください。

出典:福岡市「スタートアップ法人減税」(2026年8月時点)

対象にならなくても、ほかの支援があります

この記事を読んで「自分は対象外だ」と思った方が多いかもしれません。実際、要件を満たす会社はかなり限られます

ただ、福岡市のスタートアップ支援はこの制度だけではありません。特定創業支援等事業による登録免許税の軽減や、無料で使える相談の窓口は、事業の分野を問わず使えるものです。

会社設立の費用を抑えたいなら、まずそちらを確認してください。この制度に該当しそうなら、福岡市と税理士の両方に相談してから進めることをおすすめします。制度は変わりますので、公式ページで最新の内容をご確認ください。

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